当社の考え
2025/06/17
「分かち合い」の思想と戦争の構造 ── エコやSDGsはなぜ「平和」に通じるのか

人間の歴史は、奪い合いと分かち合いの繰り返しです。 土地を奪い、資源を奪い、人を奪い、力を奪う。その果てに戦争があり、数えきれない命と時間が失われてきました。一方で、知恵を分かち、技術を共有し、役割を認め合い、共に築くことで、私たちは都市をつくり、科学を進め、文化を発展させてきました。
この「創り合う」営みこそ、人間が本来持つ自然の力であると思います。自然界においても、生命は互いに競い合いながらも、同時に支え合い、循環し、共存するバランスの中で進化してきました。植物は空気を浄化し、動物は土を肥やし、水は命をつなぐ。そこには「奪い尽くす」という考えはなく、「つながり合う」ことで全体が豊かになるという仕組みがあります。
人類の文明もまた、その原理に倣って築かれてきたはずです。技術革新とは、単なる効率の追求ではなく、「どうすれば互いに便利に、快適に、共に生きられるか」を問い続けてきた過程です。「協働」「共創」「分かち合い」の延長線上にこそ、本来の経済があります。
エコとSDGsに宿る、価値観の転換
しかし、その文明がいま、根本的な矛盾に直面しています。 エコやSDGs(持続可能な開発目標)は、環境を守るための活動と捉えられがちですが、実際にはもっと根源的な問いかけを含んでいると思います。
それは、「この世界をどのように使い、どのように受け継ぐか」という価値観の転換です。限りある資源を、いかに無駄なく、公平に、持続的に使っていくか。そこには、奪い合いではなく、創り合いの経済という発想が求められます。
創り合いの経済とは、価値をゼロサムで分け合うのではなく、掛け合わせて新しい価値を生み出す社会の在り方です。モノの価値はその組み合わせ、工夫によって無限に高まります。協働、共創、共有。これらの力が合わされば、資源は減らずに済み、分断は癒されます。であれば、「奪い合いの極み」である戦争など、起こるはずがありません。
格差と恐怖がつくる戦争、そしてその逆へ
本来、創り合いと共存の精神に立脚する社会では、紛争の芽は自然に摘まれていきます。争うよりも、分かち合う方が得だと皆が理解していれば、暴力は回避されるはずです。力で相手をねじ伏せるのではなく、交渉と協働によって共通の解決策を導き出すことが、最も合理的な道となります。 だが、現実はそうなっていません。いまだに世界各地で戦争と紛争は続き、膨大な資源とエネルギーが「破壊のため」に使われています。
なぜなのでしょうか。
その答えの一端は、「格差」と「恐怖」にあると思います。資源や富が偏り、一部の人々が過剰に所有し、他の多くが奪われる構造の中では、やがて人々の間に不満と対立が生まれてしまいます。「自分たちが損をしている」「奪われている」という意識が、排除と敵意を生みます。そこに宗教や民族、歴史や領土といった要素が重なると、戦争の火種となってしまいます。つまり、戦争とは突発的に起こるものではありません。「奪い合いのシステム」の中で自然発火する現象なのです。
“奪わずに済む社会”を築く行動としてのエコ
この視点に立つとき、エコやSDGsの役割が変わって見えてきます。 再生可能エネルギーの導入、省エネ住宅の普及、フードロスの削減、サーキュラーエコノミーの推進、環境教育の強化──これらはすべて、「環境を守る」だけでなく、「奪い合いを減らす」ための社会づくりでもあります。
つまり、エコやSDGsとは、戦争を未然に防ぐための社会的な“インフラ”なのです。 例えば、地域の再生エネルギーを自治体が自ら管理し、利益を地域に還元する仕組みが生まれれば、エネルギーを巡る国家間の対立は減ります。地元の資源を使い、地域内で循環する経済が定着すれば、外部への依存が減り、争いの口実も消えます。 一人ひとりが自分のゴミの行方に責任を持ち、リサイクルや分別、そして再資源化を徹底すれば、SDGsの求める環境保護、経済成長、社会の公平性の両立、持続可能な社会の実現に近づけるものです。
こうした取り組みの積み重ねが、“奪わずに済む社会”をつくることになります。 だからこそ、エコやSDGsの実践は、単なる善意や自己満足にとどまるものではありません。それは、戦争や紛争を起こさせない未来を築く、非常に現実的な行動となります。 「地球を守る」という大きな旗印の下で、私たちは今、「人間関係のかたち」そのものを見直す時期に来ているのではないかと思います。
奪い合わない社会とは、共に創る社会です。持続とは、分かち合いの力です。 それができたとき、戦争は過去のものとなり、世界はようやく“自然の理”に沿った形で進化を始めていくのです。
エコやSDGsの先にあるもの──それは、平和そのものです。
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