当社の考え
2025/06/11
「エコ疲れ」「SDGs疲れ」がZ世代に広がる理由と、そこから考える新しい希望の形

ここ数年、社会全体で「エコ」や「SDGs」への意識は確かに高まってきました。スーパーではレジ袋が有料になり、ペットボトルを避けてマイボトルを持ち歩く人も増えてきました。企業も「脱炭素」や「サステナビリティ」を掲げた経営をアピールし、学校でもSDGsの授業が日常化しています。
こうした空気の中で育ってきたZ世代は、「環境に良いことをするのが当然」と考えている人が多いです。しかし、その一方で、最近はこうした「エコ」や「SDGs」への取り組みに対して、疲れやジレンマを感じるという声が聞こえてくるようになりました。
疲れの原因を探る
たとえばマイボトルを持ち歩き、古着をリメイクし、プラスチックをなるべく使わない生活を心がけている若者がふとニュースを見たとき、世界では大量の森林が伐採され、大企業が大量の温室効果ガスを排出し続けているのです。
自分の行動は本当に意味があるのか。むしろ、そんなに頑張っても社会は変わらないのではないか。そんな「虚無感」が、静かに広がり始めています。
また、企業が掲げる「SDGs経営」が、単なるマーケティング戦略にしか見えないという冷めた視線もあります。「エコっぽい包装」や「SDGsロゴ入り商品」が増えても、それが本当に環境負荷を減らしているのかを考えると、逆に「見せかけ」や「自己満足」に思えてしまいます。いわゆる「SDGsウォッシュ(見せかけの持続可能性)」に敏感な若者ほど、そうした矛盾に気づいてしまいます。
追い打ちをかける世の中の目
さらに深刻なのは、「真面目に取り組む人が損をする」という感覚が生まれていることです。エコな商品は割高で、時間も手間もかかります。それでも続けていると、周囲から「意識高い系」と揶揄されたり、他人の無関心さに直面したりして、孤立感すら感じてしまいます。こうした感覚は、「気候変動を止めたい」「ゴミを減らしたい」という純粋な思いを、次第に押しつぶしてしまいます。
このような感情は、Z世代だけに限りません。むしろ、地道に取り組んできたすべての世代の人々が一度は感じる“環境活動の空しさ”かもしれません。ただ、Z世代が特徴的なのは、それを率直に言語化し、SNSなどで共有する点です。だからこそ、「エコ疲れ」「SDGs疲れ」が可視化され、今、新たな問いが浮かび上がってきていると思います。
では、どうすればよいのでしょうか。希望はあるのでしょうか。
完璧さよりも継続を選ぶ
そのヒントは、「個人の行動だけに頼らない仕組みづくり」にあるかもしれません。たとえば、Z世代の中には、社会課題を起点としたビジネスを立ち上げたり、自治体と連携して地域の課題を可視化したりする動きが出ています。彼らは「頑張りすぎないエコ」を目指し、社会全体の仕組みに問いを投げかけています。
また、最近では「エコ=完璧主義」からの脱却を求める声も増えています。「サステナブルな暮らしを100点目指して頑張るのではなく、70点でも続けられることを選ぶ」――そんな「やさしいサステナビリティ」の考え方が広まり始めています。完璧でなくていい。できるところから、続けられる形で。それもまた、持続可能性の大事な一歩だ。という風に。
「自分一人の行動で社会は変わらない」という気持ちは、確かに本音でしょう。しかし、「一人一人の行動が意味を持つ社会に変えていく」ことは、まだ諦めるには早いと思います。
疲れたら、休んでいい。でも、その疲れを言葉にして、共有しあえる仲間がいる時代になった今、SDGsは「義務」ではなく、「自分らしい生き方」の選択肢のひとつになりつつあります。 Z世代が抱えるジレンマは、社会が本当の意味でサステナブルに向かうための、大切な違和感なのかもしれません。
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