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コラム

2024/07/05

【スッキリ解決】防音、遮音、吸音、結局何が違う?効果的に活用するための考え方もご紹介

すっかり定着したオンラインワーキング。

会議、商談、レッスンまでオンライン上で出来る便利な世の中になりましたね。

遠方でも気軽にコミュニケーションを図れるというメリットはあるものの、画面越しの相手の感情を読み取る情報は限られているため音声の重要性を再認識している方も多いと思います。そんな変化から、いま音に関する環境改善は世の中の注目を集めています。

さて、音の話題になると「防音」「吸音」「遮音」など様々な表現が使われますが、それぞれの違いって何度聞いてもわかりずらくないでしょうか?

ざっくりとした使い方をしている方も多いこれらの言葉について、この記事では違いを分かりやすく解説し、またどのような場面でどの対策が最適かをご紹介します。


目次(読みたいブロックにジャンプします)




防音・遮音・吸音の違いについて


【防音】とは音対策の総称であると捉える

まずこの3つの言葉の意味は同じレイヤーで考えるのではなく、『総称』と『手段』に分けて理解していくとわかりやすくなります。

【防音】とは音漏れを防ぐという意味があり、ここでいう『総称』です。

【遮音】【吸音】は音漏れを防ぐための技術や手法を指すので『手段』になります。また手段のなかにはもうひとつ【防振】もあることを覚えておきましょう

これを材料に置き換えて考え方を整理したものが以下の図です。







改めて防音とは?

外部からの音が室内に侵入するのを防ぐこと、室内の音が外部に漏れるのを防ぐための技術や手法を総じて防音と呼びます。一般的なやりとりの中では「防音対策」「防音材」「防音効果」といった使い方をされることが多いかと思います。

例えば壁に防音材を貼って防音対策を行うという場合がありますが、使われている手段については音を遮断して防いでいるとは限りません。対策したい音の種類やアプローチによって異なり、それらを大きく分けると「遮音」「吸音」「防振」となるのです。





手段その① 遮音(しゃおん)


遮音とは、音エネルギーが透過することを防いで別の空間に音が入り込まないようにする技術や手段を指します。

普段多くの方が言う防音の意味合いに最も近いものがこの遮音であるともいえます。

遮音対策を行うことで音が隣室や外部へ漏れるのを防ぐことができるため、集合住宅やオフィス環境でのプライバシー保護や、騒音の干渉を防ぐためには欠かすことができない手段であるといえます。

【遮音材の代表例】 鉄板、コンクリート、石膏



手段その② 吸音(きゅうおん)


吸音とは、文字通り音エネルギーを吸収することにより反射する音を減退させ反響音を減らす技術や手段を指します。

厳密にいえば、吸収された音エネルギーは熱エネルギーに変換されることで消化されて、跳ね返る音の量を減らしています。

この説明からもお分かりいただける通り吸音対策では直接的に音漏れを防ぐことはできません。

しかしながら、反響音が減る=空間内に響く音量を減らすことができるため、結果的に音漏れを減らすことには寄与しています。

吸音材を使うことによってもたらされる最大の効果は、クリアで快適な音響空間を実現できることです。

音がこもったりエコーがかかりすぎて音声が聞き取りずらい空間の環境改善に適しているアプローチが吸音であるといえます。

【吸音材の代表例】 グラスウール、ロックウール、繊維フェルト、ウレタンスポンジ



手段その③ 防振(ぼうしん)


遮音や吸音ほど【防音】と混同されることは多くないですが、防振も防音手段のひとつと位置づけられています。

防振とは、振動が伝わるのを防ぎ、振動によって発生する音の影響を最小限に抑える技術や手段を指します。

企業においては機械の運転を行う場面などでは騒音につながることが多くなります。

防振対策を適切に行うことは振動による騒音問題を解決することはもちろん、建物や設備の寿命を延ばすことにも寄与しています。

また振動による不快感を軽減し、従業員に対しても快適な作業環境を提供することに繋がります。

【防振材の代表例】 ゴム、ポリウレタン、繊維フェルト



防音対策は遮音だけで十分?


上記の違いを理解すると「それなら防音対策をしたければ遮音だけで十分なのでは?」という疑問が浮かぶかと思います。

確かに遮音によって音漏れを防ぐことで、いわゆる【防音】は達成できますが、実際に遮音のみを行ったとき浮き彫りになるのが反響音の問題です。

空間内で音の透過が遮断されると、空間内に音が残りつづけることになります。音漏れは防げていても、反響音が大きいと快適に過ごすことができない上に、本来出している音よりも音量が増幅してしまうため、逆に音漏れの原因となる場合もあります。

空間内で防音対策を行いたいと考える場合、遮音×吸音×防振は組み合わせて考える必要があるのです。



吸音が活躍するシーンについて


快適なコミュニケーショが叶う空間づくりなら吸音!


遮音性を高めた結果発生してしまう反響音の対策には吸音対策が必要です。

吸音材は多孔質な素材であることから重量面で取り回しやすいものが多く、既存の空間に追加で施工しやすい対策でもあります。

例えば企業の会議室。隣の部屋に音が干渉しないよう遮音性の高い材料を使用している空間では、反響音が大きく会話が聞き取りにくくなっている場合があります。

壁が平行に向かい合う形になっている空間であれば、隣の部屋に面している1面だけでも良いので吸音材を設置することで、反射が軽減され会議室内の会話がクリアに聞こえるようになります。

また、広いスペースをブースに区切って接客などを行う場合、使用するパーテーションに吸音材を使用すればブース単位でスムーズなコミュニケーションを行うことができます。

このように既存空間のネガティブな面をカバーしたり、新たにプライベートなスペースを確保したい場合に吸音材は有効な手段となります。



防振が活躍するシーンについて


動くものがあるなら防振!


防振材は、遮音材では防げない「振動によって発生する音」の影響を軽減するものです。

例えば 工場や製造施設では大型の産業用機械が稼働していますが、これらの機械が発生する振動音は遮音材だけでは外に伝わってしまいます。

また振動は音の問題だけでなく、建物全体に影響を及ぼし、他の設備や作業環境に悪影響を与えることがあります。

そのような場合に防振材を機材の下や隣接する壁などへ使用することで、振動が床や壁などに伝わるのを抑え、音の発生を軽減することができます。



まとめ


防音・遮音・吸音のちがいとそれぞれが適しているシーンについて、理解は深まったでしょうか? 違いを理解することで、より効果的な音響対策が可能になります。

解決したい課題に合わせて遮音・吸音・防振の三つの技術をバランスよく取り入れることで、理想的な防音対策を実現しましょう。

GREEN FLAGでは、廃棄繊維を原料にした吸音材である「Rebornfiber Q-on」を取り扱っています。

用途に合わせた防音対策を行うなかで、どうせ使うのなら環境に配慮した素材をとお考えの場合はぜひこちらもご覧ください。






また当社ではお客様からお預かりした廃棄繊維を主原料にして吸音フェルトを制作し、企業活動のお役に立つ新しい製品としてお戻しするサービスを行っています。古着、繊維くず、ユニフォーム、リネンなど、繊維であれば何でもご相談可能です。詳しい事業内容をご覧になりたい方はGREEN FLAG事業紹介ページをご覧ください。





執筆者



Noriko Yokokura

廃棄繊維を資源化し、サーキュラーエコノミーを実現したい企業の事業支援を行う素材のメーカー、株式会社GREEN FLAGにて営業企画を担当。廃棄繊維ゼロを目指す様々な事業のサポートを通じて学んだ知識を活かし、環境問題や社会課題についてみなさんにわかりやすいカタチで発信します。




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