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コラム

2023/11/14

【2024年】サーキュラーエコノミーとは?市場規模は?知っておきたい情報を分かりやすく解説!

こんにちは。廃棄繊維に新たな価値を与える再生繊維フェルトボードの展開を通じ、企業のサーキュラーエコノミーの実現を支援するGREEN FLAGのyokokuraです。

この記事では、2023年9月経済産業省の報告資料【資源循環経済政策の現状と課題について】にある情報に基づいた解説でサーキュラーエコノミーとは何かをご紹介していきます。

サーキュラーエコノミーとはそもそも何なのか?

そしてどんなビジネスモデルが考えられるのかなども明らかにしながら、サーキュラーエコノミーの市場規模についての知識やビジネスへのメリットまでを皆さんにお伝えしてい参ります。

作成:2023年11月14日

最新更新:2024年2月6日



目次(読みたいブロックにジャンプします)





サーキュラーエコノミー とはなにか?



サーキュラーエコノミーとは『循環型経済』である。


サーキュラーエコノミーとは循環型経済を指します。
「循環型経済といわれても、それがなんなのか分からない・・・」確かにイメージしにくいですよね。
サーキュラーエコノミーをわかりやすく簡単なことばに置き換えるならば、世の中のあらゆるものを「作る・つかう・捨てる」から「作る・つかう・またつかう」に変えて経済を回していくということです。

これまでの「作る・つかう・捨てる」のサイクルは、サーキュラーエコノミーの対比語であるリニアエコノミー(直線型経済)と言われています。サーキュラーエコノミーとは、このリニアエコノミー(直線型経済)からの脱却を目指す経済モデルなのです。

ここまでで大枠はイメージができたのではないでしょうか?

ではさらに解像度を上げるために、それぞれの経済モデルがどんなものかを掘り下げていきましょう。


リニアエコノミー(直線型経済)とは前述のとおり、大量に資源を採取して製品を製造し、使用後に廃棄物として捨てるというものが一方通行に動いていくプロセスとなります。

これは第1次産業革命以降から続く大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした経済モデルであり、産業の活性と経済の成長には非常に大きな貢献をもたらしました。

しかしリニアエコノミーには環境の面で致命的な欠点があります。それは資源>>製品>>廃棄という、モノが一方通行に流れていく経済の仕組みのため、地球の有限な資源をすり減らしつづけ、さらには大量の廃棄によって地球環境も汚染しているのです。





これに対してサーキュラーエコノミーの経済モデルでは、ものづくりと消費を一方向のプロセスで終わらせることなく、資源を再利用する方法を見つけ・実行することで再度私たちの生活を豊かにするものとして資源が円を描くように循環的に機能する経済モデルとなります。

今あるものを有効的に活用しつづけ、限られた範囲内で資源を使用しながら、経済活動も成長させることを目指します。

リニアエコノミーのように、使ったモノを廃棄するのではなく、再利用できる活路を見つけたり、そのような仕組みや技術の開発を行うことで、最小限の資源で最大の利益を生み出すサービスを生み出し、地球の資源を維持と経済の発展を両立させる経済モデルなのです。




サーキュラーエコノミーの原則




サーキュラーエコノミーには3原則がある


サーキュラーエコノミーには以下の3つの原則があります。


◆廃棄物と汚染を生み出さないデザイン(設計)を行うこと

◆製品と原材料を使い続けること

◆自然システムを再生すること


これは国際的に活動するサーキュラーエコノミー推進団体のエレンマッカーサー財団が掲げる、サーキュラーエコノミーの経済システムにおいて基本的な原則です。




この3原則を守るには、製品やサービスを設計する段階から循環可能なものにデザインしていく必要があり、また利益のためだけに資源投入量を増やせばよいという考えを持たないようにすることが求められます。


また環境用語の中には似たような言葉で3Rというものがありますが、これはサーキュラーエコノミーの3原則とは別ものとなります。

3Rは、発生した廃棄物をどう処理するかという課題に対する解決策として掲げられているものであり、

現在では新たに4R(3R+Renewable)と提唱されているため、ここで改めてこの4Rもおさらいしましょう。


サーキュラーエコノミーを考える上で必要な4R(3R+Renewable)


リデュース(減量)

資源の使用を最小限に抑え、廃棄物の量を減らすことを指します。



リユース(再利用)

製品や部品を修理したり、必要な人に譲ったりと、再び使用することを指します。



リサイクル(再生)

使用済みの材料や製品を分解し、再び資源として使用することを指します。



★新たに追加! リニューアブル(再生可能性)

いま使っている原料を見直して、資源をすり減らすことなく再生が可能な原料に置き換えていくことを指しています。


今までの3Rでは有限な資源を無駄にしないためにどうするかといった解決策でしたが、リニューアブル(再生可能性)では、そもそも使う資源を再生可能なものに置き換えていくといったアプローチの解決法となります。



このような考え方に基づいた取り組みにより、廃棄物の削減と資源の消費を最小限に抑え、地球環境を維持しながら、

再生可能な資源の活用によって好循環を生み出し、経済の成長を目指す成長志向型の経済モデルの実現こそがサーキュラーエコノミーなのです。


サーキュラーエコノミーの必要性




なぜサーキュラーエコノミーが必要なのか




サーキュラーエコノミーが注目されている理由は、これまでの経済モデルのまま進んでいけば、近い将来で地球の資源が枯渇し、環境への負荷が増大して「planetary boundaries(地球の限界)」を迎えることが確実となっているためです。

気候変動や異常気象など、すでに私たちの日常生活でもその影響を感じざるを得ない状況になっています。

これまでの直線型経済は、18世紀に起きた第1次産業革命以降の世界の経済発展には欠かせない経済モデルでしたが、リニアエコノミーは資源の無駄が極端に多く、廃棄物の増加により環境汚染も進む一方で、このままでは持続的に経済を発展させていくことは不可能です。

サーキュラーエコノミーはこれらの課題に対処するための経済モデルであり、タイムリミットが迫る中、全世界で早急の実現を求められています。



サーキュラーエコノミーの市場規模


2030年までに全世界で4.5兆ドルの市場規模になる見込み


サーキュラーエコノミー関連市場は国内外で急速に成長しており、2030年までに全世界で4.5兆ドル(日本円で約670兆円)、日本国内だけでも2030年までに約80兆円の市場規模が見込まれています。





こうした予測に基づいて、海外を中心に成長資金が活発に企業へ流れ込み、新たな事業者の参入も加速しています。

またこの新しい経済モデルの考え方は、企業だけでなく一般消費者への認知も広がつつあり、その結果、サーキュラーエコノミーのビジネスモデルを実行する企業が支持を集め、消費者からも選ばれやすくなるとった構図が更に追い風となっています。

このようにサーキュラーエコノミーの市場は今後ますます拡大していることから、この先も新たなビジネスチャンスが生まれる市場となることでしょう。



サーキュラーエコノミーのビジネスモデル


サステナビリティに取り組む大手コンサルティング会社のアクセンチュアが提唱する「サーキュラーエコノミービジネス」には5分類のビジネスモデルが存在します。それぞれ別の角度からのアプローチで資源の有効活用と循環ビジネスの確立へと焦点を当てています。



1.サーキュラー型のサプライチェーン

製品やサービスを設計する段階から、原材料や資源の調達において回収や再利用しやすいものを選ぶことで循環型のサプライを実現するビジネスモデルを指します。これにより、環境負荷低減に貢献しながら自社のコスト削減も図ることができます。


2.製品寿命の延長

製品がもたらす成果を継続的に提供することを目的に、修理やメンテナンス、アップグレードなどのサービスを付加させて、製品の寿命を延ばしたり長く使用できるようにデザインされた製品を提供するビジネスモデルです。ユーザーとの接点が継続的なものとなり、ブランドロイヤリティーの向上にもつながります。


3.回収とリサイクル

使い終わった製品や材料を回収し、再資源化によるリサイクルを行うことで生産・廃棄コストを削減するビジネスモデルです。ペットボトルの回収による再生PET素材の製造と活用などが分かりやすい事例です。


4.サービスとしての製品

製品を提供して所有してもらうのではなく、利用者が製品をサービスとして利用した分だけ料金が発生するビジネスモデルです。レンタル、リース、サブスクリプションなどがこれに該当します。


5.シェアリングプラットフォーム

資産やサービスを個人所有ではなく、共有するプラットフォームを提供するビジネスモデルです。スマートフォン・AI・IoTなどのデジタル技術を使ったサービスを構築することで、稼働率の高いサービスに成長させることも期待できます。



循環型経済へのシフトによるビジネスへの影響



経済の好循環無くして、サーキュラーエコノミーの実現はない



サーキュラーエコノミーは、環境負荷低減のためのものと考えられがちですが、理想形のサーキュラー(循環)は、「環境」「社会」「経済」の好循環を生み出すことであり、経済の発展も欠かすことはできません。

サーキュラーエコノミーへのシフトをした企業には、具体的にどのようなプラスの影響が期待できるのでしょうか。

代表的なメリットを4つご紹介します。


サーキュラーエコノミー推進による企業のメリット4選

1.コスト削減が可能

バージンの資源だけを使用するのではなく、再利用やリサイクルにより既存の資源の有効活用を取り入れることで、新しい原材料の調達や生産に必要なコストの削減につながります。


2.ESG観点の評価が上がる

国内外の投資家にとって、ESGの観点からサーキュラーエコノミーの推進の有無は、企業の継続した成長性に関わる重要な指標になっています。サーキュラーエコノミービジネスの展開は世の中から支持される企業になることに繋がり、企業の成長に追い風となります。


3.イノベーションの促進と競争力の向上

サーキュラーエコノミーの推進は、企業のイノベーションの機会を増大させ、競争力を向上させることが期待されます。資源の循環利用や新たなリサイクル技術の開発を通じて、新しい製品やサービスが生まれれば、企業は市場での差別化を図り、継続的な収益性を確保するだけでなく、環境にやさしい製品を提供することで顧客の支持を得ることができます。


4.新たな消費者の開拓

サーキュラーエコノミーの市場規模は、2030年に日本でおよそ80兆円が見込まれている成長市場です。資源の循環に根差した事業参入によって、サステナビリティを意識している消費者の獲得につながり、市場シェアの拡大に繋がるでしょう。



まとめ


いかがでしたか。いままでの経済モデルと比較するように見ていくと、サーキュラーエコノミーの必要性や重要度がより分かりやすくなったかと思います。地球環境への負担を減らしながら、経済の発展をしていくサーキュラーエコノミーの実現には企業と消費者双方の理解が欠かせません。 すぐに行動に移せずとも、まずは世の中のサーキュラーエコノミーに向けた動きに敏感になり、その動向に注目し、自分たちにできることを考えていきましょう。





当社の事業もサーキュラーエコノミーの実現を目指し、廃棄繊維を資源に変える「再生繊維フェルトシート・フェルトボード」を通じで繊維リサイクルの課題解決に向き合っています。

資材販売だけでなく、お客様からお預かりした廃棄繊維をボード化・シート化して資材としてお戻しするサービスも行っています。古美、繊維くず、ユニフォーム、リネンなど、繊維であれば何でもご相談可能です。詳しい事業内容をご覧になりたい方はGREEN FLAG事業紹介ページをご覧ください。




表紙画像Freepik



執筆者



Noriko Yokokura

廃棄繊維を資源化し、サーキュラーエコノミーを実現したい企業の事業支援を行う素材のメーカー、株式会社GREEN FLAGにて営業企画を担当。廃棄繊維ゼロを目指す様々な事業のサポートを通じて学んだ知識を活かし、環境問題や社会課題についてみなさんにわかりやすいカタチで発信します。




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